ササやん物語 (まさあきのパパ)

ある日ぼくは「そふまっぷ」でぱそこんの部品を買っていた。くらいあんとや自分のマシンの原因不明のトラブルに対処するために細かい部品を買いに来る。けーぶる類が欲しかったので、ディスプレイケーブルと電源ケーブルを見ていると、どちらも2〜3千円するので「たけーなー」と思ってふと足元を見るとバルク品なのか699円でどちらも籠盛りになっているではないか。ラッキーと思い2本づつ買って、帰ろうかなと思いつつ中古のノートパソコンが気になったので、眺めていたら、後ろから「ドン」とぶつかるやつがいた。

「失礼」と声がしたけど、普段ならノートパソコンの方が気になるのでほっとくのだが、やけにぶつかり方が強烈だったので振り向くと「まさあきのパパ」だった。

ぼくたちはお昼を食べるため「ふぁみれす」へ移動した。

「この間、クッシーのうちへ行って来ましたよ」とササやんは楽しそうに話していた。

「どろみずこーひー飲まされた?」とぼくが聞くと

「クッシー物語に出ているとおりでした。カステラや梨はでなかったけど・・・」

ササやんもどうやら「隠れクッシー物語ふぁん」らしい。そう言えば前に、クッシー物語の新作が出たらメルマガで教えろ・・・とも言っていた。ぼくんちで出してるメルマガはササやんが作ってくれた「えーえすぴー」で動いているんだけれど、それは半年前に壊れたままになっていた。そのことをぼくが言うと、ササやんは

「あーそうでしたね。そのうち直しておきます。」と言ったが、ササやんの「そのうち」は多分来年のことだろうとおもう。

それにぼくは「おとこのふぁん」はいらない。

「そーいえば、ササやんはコーヒー飲めないんじゃなかったっけ?」

「うーん、無理して全部飲みました。」

ササやんはどちらかというと「にゅーさんきんいんりょー」が好きだと言っていた。じゅーぶん5歳児れべるだ。

ササやんはまさあきのぱぱで、まさあきは数え年で五歳のガキだ。ササやんは自宅兼事務所でびじねすをしているのでまさあきもちょろちょろ仕事場に出てくる。しかも裸足で事務所内を駆け回り、何台もあるぱそこんのひとつを占領してゲームをしたりしている。時々遊び相手になってやるが、ぼくはガキと波長が合わせられるのは一日20分しかないので、それ以上の付き合いはない。しかも、それ以上たつと弱いものいじめをしたくなるので、事務所の床に密かに画鋲をばら撒こうかとも思ったが、すぐ親にばれそうなので、未だに計画は実行していない。

まさあきは決して悪い子ではない。むしろ将来有望なぷろぐらまーになるかもしれない。元気はつらつなお子さんだ。でも、今は単なるガキだ。

ササやんはそのガキの写真を撮ってくれという。

考えてみたら日本には七五三という風習があったのだ。そして、忘れかけていたが、ぼくはカメラマンだった。
そこでまさあきの七五三の写真を撮ることになったのだが、まさあき一人と別に家族の写真も撮れという。

一家総出かよーと思いつつ、もう飽きるくらいに撮り飽きた七五三の写真を撮ることになった。ぼくはそうだったけど、ササやんとササやん一家にとっては初めての経験でそう思った瞬間、おもしろそうなので引き受けることにした。

ぼくは気に入った仕事しか引き受けない、わがままなカメラマンなのだ。

ぼくにとっての五歳児の特に男の子はかわいいのが半分、にくたらしいのが半分のびみょーな年齢だと思っている。昔、七五三撮影を一日に何人もこなしていた時は、中にはわがままで親がいなければ殴りつけたいくらいのガキはいくらでもいた。

そんなわけで、もし、まさあきがわがままほうだいだったら殴りつけてでも写真を撮ろうと望んだのだが(泣き顔を撮るのもおもしろい)そんな心配はなく、意外と素直で自分では納得いくものがとれたと思う。

ぼくの仕事がこういうことも含まれるということをササやんは知らなかったみたいで、しきりに「そーだったんですねー」と言われたが、ガキさえおとなしくしていりゃ七五三の写真は目をつぶっていても撮れるんだよーとは奥さんもいる手前言えなかった。

ともあれ、まさあきはいい子でした。

出来上がりの家族写真の中で、唯一だらしない顔をしていたのは、おやじのササやんでした。

・・・おわり

※この物語は一部フィクションであり、実在の人物、団体名等とは関係ありません…が大部分、本当にあった話です。

-- 祐 筆 --