審 判(エピソード12)

※前作が英文のため不評につき和文で再掲です。中身は同じです(たぶん)


古代エジプト文明の「死の書」に出てくる「アヌビス」というのは頭が狼かハイエナみたいで、体が人間という獣頭人体の神様だ。何の神様かというと、「ミイラ作り」の神様だそうで、他にも人間が死ぬとあの世の入り口に立っていて、やってくる人間が「ラー」という一番偉い神様の前で「お前は生前よい行いをしたか?」とたずねられると、人間はみんな嘘つきだから「はい」と答える、すると、生きていた時の肉体から心臓を取り出して、目の前の天秤で計るのが役目だ。そして、心臓が重かったら「うそ」だということでアヌビスはその場で耳まで裂けた口でその人間を食ってしまう。なぜみんな「はい」って答えるかというと、生前によい行いをしたものは「永遠の命」を与えられるからだ。



ぼくはあまりぶんめいがすすんでいない星の「としょかん」でこれをしらべた。ちょっと得したきぶんで、かえろうとおもってふときがついたけど、クッシーもよく「としょかん」にくるみたいだ。それにしても一度も会ったことがない。もっともクッシーとぼくとではしらべる分野がちがう。クッシーは「こもの」や「むし」みたいなものにきょーみがあるみたいだけど、ぼくはいまは「しゅーきょー」や「ちょーじょーげんしょー」や「しんりがく」にきょーみがあるのだ。クッシーよりははばひろいとおもっている。

クッシーが「ラー神」の前に出たらなんというかな?とちょっと想像してみた。想像は創造の源だ。ぼくはことしから「さっか」になったので、10のうち1くらいはじぶんでもすごい!と思うようなことを言う。売れないさっかではなく、売らないさっかだ、占いさっかではない・・・これはあまりおもしろくない。

クッシーも 「お前は生前よいおこないをしてきたか?」と聞かれたら「はい」とこたえるだろう。でもそれはうそだ。なぜならクッシーは「来世は猫になりたい」と言っていたし、第一級尊属殺人計画(注:1)をみんなにばくろしていたし、善良な老夫婦に都心に行きたいのだがどの電車に乗ればいいのかたずねられたとき、反対方向の「さいたま」へ送り込んだやつだ。

まあ、ゆいいつの救いは、これらのことをみんなにばらしていることくらいだろう。それに「来世は猫」ときめているので、永遠の命がもらえず、アヌビスに食い殺されたら、猫にはなれない・・・。

ひょっとしたら「自分は極度のほうこうおんちなのでまちがってここへきた、ついてはもとの場所への帰り方をおしえてくれ」とラー神にいうかもしれない。クッシーはつぎに死ぬ前にきっと別の宗教を選択するだろう・・・。

ぼくはどうかって?ぼくはさいしょから「いいえ」に決まっている!たぶんクッシーよりはいくらかながくいきているので、その分わるいおこないもしていると、じかくしているからだ。でも、そのばのふんいきで、いけんはかわるかもしれない、ということを「付記」しておこう。


おかあさん・・・今日はうつ病なのでぎゃぐは「なし」です。

注:1 物語ではエピソード02参照。現実では第一級尊属殺人なんてありません。日本では尊属殺人罪、アメリカ合衆国では第一級殺人罪、赤の他人を殺すより何故か罪が重い、逆に言えば、赤の他人を殺した方が罪が軽い。昨今の殺人事件はそこまで考えて起こっている風でもないが・・・。なお、小説の中で人を殺すのはどこの国でも自由です。

※この物語は一部フィクションであり、実在の人物、団体名等とは関係ありません…が大部分、本当にあった話です。

-- 祐 筆 --