その日は校舎(注:1)の7階で月にいっかいくらいみんながあつまる日だった。がっこうのほーむるーむとおなじだ。
とーこちゃんはだいひょーだから、ぼくの目の前にいたけど、いっしょーけんめいなにか言ってる。とーこちゃんは学校でいうなら、がっきゅういいんみたいなものだ。ぼくのひだりななめぜんぽうに、こちらをむいてクッシーが、ぼくに言わせれば、くそおもい「のーとぱそこん」をもってきて、いっしょーけんめい「ぎじろく」をかいていた。クッシーはカキモノ係りから、しょきちょーに昇格したので、はりきっているのだ。クッシーの向こうには、ここは校舎なので用務員さんの「めぐろっち」もいた。
ぼくはちょっと疲れていたのと、眠いのと、おなかがすいていたのとで、すこしだけこの世にからはずれていた。ぼーっとしていたらむかし「ジャリン娘チエ」のおばあさんが、「人間は、寒い、眠い、腹減ったの3っつが重なると死にとーなるんでっせ」とチエに言っていたのを思い出した。まだ、寒くはないので、だいじょーぶとおもい、ぽけっとからミニツール(注:2)を取り出して遊んでいた。一人で遊んでいてもつまんないので、みぎどなりのたいちょーに「ほーら」といってみせびらかしていたら、たいちょーもほーらといって自分のツールを取り出してきた。そこで、ぼくたちはおたがいのツールの機能をじまんコキコキしていたのだが、がっきゅういいんのとーこちゃんに
「取り上げますよ!」(怒)
と言われてしまった。とーこちゃんはせんせいにもなるのだ。そういえばとーこちゃんは「サトーココノカドー」でふらわーあれんじめんとのせんせーもしているのだった。そばでめぐろっちがみていたけれど、めぐろっちは大人だからぼくたちがそんなやりとりをしていても、なにも言わない。いい人だ。あまりいい人なので、このあいだ、ぼくの子分にしてやったほどだ。クッシーはそんなことおかまいなしに、ぱそこんにむちゅーだ。たいちょーは
「とりあげられるといやだから、しーまおっと」といってミニツールをしまった。
ぼくはしばらくたって、ほとぼりがさめたころに、ぼくのミニツールについている「すたーうぉーず」にでてくる「らいとさーべる」をだして(実はただのミニライト)とーこちゃんにむけて照射した。とーこちゃんははまぶしがっていたけど、おおいに役者だ。
さて、みーてぃんぐのないようもあたまにはいらず、また眠気がおそってきたので、クッシーのぱそこんをのぞいてみた。いっしょーけんめーぎじろくを書いていたとおもったが、クッシーはぱそこんげーむのチェスをやっていた。ぼくは大声で
「クッシーはゲームしてるよー」
とばらしてやったが、みんなどっとわらっただけで、だれもしからなかった。とーこちゃんも今度は「とりあげますよ」とは言わなかった。あのくそおもいのーとぱそこんはとりあげられないとおもう。
とーこちゃんは、それから時々、女王様にもなって、ぼくたちめしつかいをあごでこきつかう。
ぼくたちはまだいいのだけれど、クッシーにとってとーこちゃんは、クッシーのやっている小物のおんらいんしょっぷの上得意客なので、クッシーはドレイ扱いだ。
このあとだったとおもうが、みんなでファミレスへ行って、ご飯をたべているとき、クッシーはとーこちゃんに「沖縄で手作りのまふらーだか、しょーるだか」をいちまんえんで売りつけていた。それがたかいのか、やすいのか、ぼくにはさっぱりわからなかったけど、クッシーはめずらしくもみ手をしながら
「とーこおじょうさまにはこの色がよくお似合いかと・・・」などとこころにもないことを言っていた。
ぼくはこころにもないことをいったことがないので、だまって聞いていた。とーこちゃんはさんざんまふらーをいじくりまわして(まふらーは2種類あったが、どちらもみんながみたので、外側のセロファンの包装は指紋だらけだった)買おうかどうか最後までまよっていたみたいだけど・・・
「う〜ん、はい」といって、いちまんえんをクッシーにわたした。
ぼくはあの「てぬぐい」みたいなのが、いちまんえんもするのかーとかんしんしたが、とーこちゃんはおとーとのくびわと、さらに「このあいだの飲み代」のことなんかも言ってたから、そんなに高い買い物でもないみたいだ。はたしてクッシーにもうけはあったのだろうか。
おかあさん・・・ふと気付いたんですが・・・こんなことばかり書いていると・・・ぼくはいつかみんなに殺されるかもしれません。 |