白昼夢(エピソード06)

その日は校舎(注:1)の7階で月にいっかいくらいみんながあつまる日だった。がっこうのほーむるーむとおなじだ。

とーこちゃんはだいひょーだから、ぼくの目の前にいたけど、いっしょーけんめいなにか言ってる。とーこちゃんは学校でいうなら、がっきゅういいんみたいなものだ。ぼくのひだりななめぜんぽうに、こちらをむいてクッシーが、ぼくに言わせれば、くそおもい「のーとぱそこん」をもってきて、いっしょーけんめい「ぎじろく」をかいていた。クッシーはカキモノ係りから、しょきちょーに昇格したので、はりきっているのだ。クッシーの向こうには、ここは校舎なので用務員さんの「めぐろっち」もいた。

ぼくはちょっと疲れていたのと、眠いのと、おなかがすいていたのとで、すこしだけこの世にからはずれていた。ぼーっとしていたらむかし「ジャリン娘チエ」のおばあさんが、「人間は、寒い、眠い、腹減ったの3っつが重なると死にとーなるんでっせ」とチエに言っていたのを思い出した。まだ、寒くはないので、だいじょーぶとおもい、ぽけっとからミニツール(注:2)を取り出して遊んでいた。一人で遊んでいてもつまんないので、みぎどなりのたいちょーに「ほーら」といってみせびらかしていたら、たいちょーもほーらといって自分のツールを取り出してきた。そこで、ぼくたちはおたがいのツールの機能をじまんコキコキしていたのだが、がっきゅういいんのとーこちゃんに

「取り上げますよ!」(怒)

と言われてしまった。とーこちゃんはせんせいにもなるのだ。そういえばとーこちゃんは「サトーココノカドー」でふらわーあれんじめんとのせんせーもしているのだった。そばでめぐろっちがみていたけれど、めぐろっちは大人だからぼくたちがそんなやりとりをしていても、なにも言わない。いい人だ。あまりいい人なので、このあいだ、ぼくの子分にしてやったほどだ。クッシーはそんなことおかまいなしに、ぱそこんにむちゅーだ。たいちょーは

「とりあげられるといやだから、しーまおっと」といってミニツールをしまった。

ぼくはしばらくたって、ほとぼりがさめたころに、ぼくのミニツールについている「すたーうぉーず」にでてくる「らいとさーべる」をだして(実はただのミニライト)とーこちゃんにむけて照射した。とーこちゃんははまぶしがっていたけど、おおいに役者だ。

さて、みーてぃんぐのないようもあたまにはいらず、また眠気がおそってきたので、クッシーのぱそこんをのぞいてみた。いっしょーけんめーぎじろくを書いていたとおもったが、クッシーはぱそこんげーむのチェスをやっていた。ぼくは大声で

「クッシーはゲームしてるよー」

とばらしてやったが、みんなどっとわらっただけで、だれもしからなかった。とーこちゃんも今度は「とりあげますよ」とは言わなかった。あのくそおもいのーとぱそこんはとりあげられないとおもう。

とーこちゃんは、それから時々、女王様にもなって、ぼくたちめしつかいをあごでこきつかう。

ぼくたちはまだいいのだけれど、クッシーにとってとーこちゃんは、クッシーのやっている小物のおんらいんしょっぷの上得意客なので、クッシーはドレイ扱いだ。

このあとだったとおもうが、みんなでファミレスへ行って、ご飯をたべているとき、クッシーはとーこちゃんに「沖縄で手作りのまふらーだか、しょーるだか」をいちまんえんで売りつけていた。それがたかいのか、やすいのか、ぼくにはさっぱりわからなかったけど、クッシーはめずらしくもみ手をしながら

「とーこおじょうさまにはこの色がよくお似合いかと・・・」などとこころにもないことを言っていた。

ぼくはこころにもないことをいったことがないので、だまって聞いていた。とーこちゃんはさんざんまふらーをいじくりまわして(まふらーは2種類あったが、どちらもみんながみたので、外側のセロファンの包装は指紋だらけだった)買おうかどうか最後までまよっていたみたいだけど・・・

「う〜ん、はい」といって、いちまんえんをクッシーにわたした。

ぼくはあの「てぬぐい」みたいなのが、いちまんえんもするのかーとかんしんしたが、とーこちゃんはおとーとのくびわと、さらに「このあいだの飲み代」のことなんかも言ってたから、そんなに高い買い物でもないみたいだ。はたしてクッシーにもうけはあったのだろうか。

 

おかあさん・・・ふと気付いたんですが・・・こんなことばかり書いていると・・・ぼくはいつかみんなに殺されるかもしれません。

注:1 校舎(漢字をいれかえると)公社
注:2 キーホルダーにつけていてサポートに行った時、役に立つこともあるが、どちらかというと持っていることを忘れてしまっている。ただし無用の長物ではない。なにしろ私は2種類も持っている。無用の長物ではけっしてない。暇な時、遊び道具にもなるし・・・

※この物語は一部フィクションであり、実在の人物、団体名等とは関係ありません…が大部分、本当にあった話です。

-- 祐 筆 --